山口県は、日本が近代国家へと変貌を遂げる明治維新において、中心的な役割を果たした地として知られています。この地出身の志士たちが維新の大きな推進力となりました。しかし、山口県は本州の西端に位置し、多くの旅行者が足を止めることなく九州へと向かう新幹線の途中駅として見過ごされがちです。
それでも、萩の古い町並み、秋吉台、秋芳洞、下関など、歴史や自然の豊かさを求める人にとっては必見のスポットが点在しています。
ここでは、山口県における二つの主要駅である新山口駅と山口駅に焦点を当て、それぞれの駅の特色や、両駅間の距離、アクセス方法について詳しくご紹介します。
新山口駅と山口駅：それぞれの駅の個性と行き来の手段
新山口駅
新山口駅は山口市内にあり、JR西日本が運営する交通のハブです。過去には「小郡駅」として知られていましたが、2003年に現在の名称に変更され、その2年後には山口市への合併が行われました。新幹線は「ひかり」、「こだま」、「さくら」が停車し、「のぞみ」と「みずほ」の一部は通過します。また、山陽新幹線から在来線への乗り換えも可能で、駅周辺は新しい施設やビジネスホテルが整備され、利便性が高まっています。
新山口駅へ名前が変わった理由
小郡駅が新山口駅に改名されたのは、山陽新幹線の駅としての機能を強化し、新幹線の停車駅としての認識を高めるためです。2003年に行われたこの改名は、地域の交通インフラとしての新しい役割を反映し、また、山口県内における新幹線の利便性をアピールするための戦略的な決定でした。
新幹線の停車駅であることを駅名に明示することで、地元住民や訪れる旅行者に対してその重要性をアピールし、山口県の主要な交通ハブとしての地位を確立することを目指していました。また、地域経済の活性化や観光振興にも寄与することが期待されていたため、新山口という名称が選ばれたのです。
新山口駅周辺の代表的な施設
新山口駅周辺には、ビジネスや観光の拠点として利用されるいくつかの代表的な施設があります。以下はその中のいくつかです：
- 新山口駅前広場 – 駅を利用する人々にとっての集合場所であり、様々な公共交通へのアクセスポイントです。
- ビジネスホテル – 出張者や旅行者にとって便利な立地にあるビジネスホテルが複数あります。
- レストランやショッピング施設 – 旅行者や地元住民が利用する飲食店や小売店が点在しています。
- 山口県立美術館 – 日本画や現代アートのコレクションを中心に、様々な展示が行われています。
- 山口宇部空港 – 新山口駅から車で約30分の位置にある地方空港で、国内線の便が利用できます。
- 瑠璃光寺五重塔 – 国宝に指定されている重要な文化財で、日本の伝統建築を代表する観光名所の一つです。
- 秋芳洞（あきよしどう） – 新山口駅から車やバスでアクセス可能な日本三大鍾乳洞の一つであり、美しい鍾乳石が見られる自然の観光地です。
これらの施設は新山口駅を利用する多くの人々にとっての魅力的な立ち寄り場所となっており、新山口駅が山口県内での交通の要所となっている理由の一端を示しています。また、山口県の歴史や文化、自然を体験するための出発点としても機能しています。
山口駅
一方で、山口駅は山口市惣太夫町に位置するJR西日本の山口線所属の駅です。この路線は新山口駅から島根県の益田市までを結び、「SLやまぐち号」という蒸気機関車の運行で有名です。この歴史的な列車は1979年に運行を開始し、新山口と津和野間を結んでいます。
重要なことは、新山口駅と山口駅が異なる駅であること、そして山口駅には新幹線が停車しないという事実です。例えば、山口県庁に訪れる際には、山口駅が最寄り駅となります。
山口駅周辺の代表的な施設
山口駅周辺には、歴史的な建造物や自然の名所など、多くの魅力的な観光スポットがあります。以下はその中のいくつかです：
- 瑠璃光寺（るりこうじ） – 萩藩の菩提寺として知られる瑠璃光寺は、美しい五重塔があり、国の重要文化財に指定されています。
- 山口県立美術館 – 山口県の自然を背景にした美術館で、地元関連のアート作品や各種展示が行われています。
- 山口情報芸術センター（YCAM） – 現代芸術の展示やワークショップなどが行われる文化施設です。
- 山口大学 – 地域の教育と研究の中心となる大学で、キャンパス周辺には学生向けの施設や飲食店が充実しています。
- 湯田温泉 – 山口駅から車で約10分の場所にある温泉街で、多数の温泉旅館が立ち並び、訪れる人々に癒しを提供しています。
- 防府天満宮 – 学問の神様として知られる菅原道真を祀る神社で、地元の人々の信仰を集めています。
- 秋吉台 – 山口駅からバスでアクセスできる、日本最大級のカルスト台地で、ハイキングや洞窟探検に適しています。
これらの施設や観光地は、山口駅周辺の文化的な魅力を形成しており、旅行者にとって見逃せないポイントです。また、地元住民にとっても日常生活やレジャーの場として重要な役割を果たしています。
新山口駅から山口駅までの交通手段
新山口駅は、山口市内の他の主要な駅である山口駅から南西に位置し、約12.7キロメートルの距離があります。
電車でのアクセス方法
JR山口線を使用すると、新山口駅から山口駅までは約24分で到着します。このルートでは、新山口駅から7駅目に位置する山口駅へと進みます。運賃は240円と設定されています。
バスでのアクセス方法
バスを利用する場合、中国JRバスが新山口駅から山口駅まで約33分で運行しており、運賃は660円です。
タクシーでのアクセス方法
タクシーで移動する場合、新山口駅から山口駅までの所要時間は約30分で、料金は4,310円から4,640円が相場です。ただし、深夜の時間帯には追加料金がかかることに留意してください。
まとめ
新山口駅、かつての小郡駅は、山陽新幹線と在来線が接続する交通の要衝です。一方、山口駅はJR山口線の駅として機能しています。12.7kmというこの二駅間の距離を移動する際には、電車、バス、タクシーの中から選択することができますので、目的とする場所に応じて最適な交通手段を選びましょう。
