「数学検定」という言葉、耳にしたことはありますか?英検のような存在感はないかもしれませんが、これが何を指しているのか気になる方もいるでしょう。
数学検定、略して「数検」とは、実用に役立つ数学技能を評価するために公益財団法人日本数学検定協会が行う試験です。
この試験には大きく分けて2種類のレベルがあります。
算数が対象の11級から6級は「算数検定」と呼ばれ、より進んだ中学から大学レベルの数学を扱う5級から1級が「数学検定」or「数検」と称されています。
思いのほか、これらの検定が受験において特典を受けるケースもあるのをご存知でしょうか?
それでも「数検は無用か?」と考える声が完全には消えないのが現実です。
なぜそんな認識が存在するのでしょうか?
以下で、数検の意義とそれが受験にどのような影響を及ぼすのかを深掘りしていきます。
数学検定は実際に役立つのか
数学検定(数検)を履歴書に記入することの効果は、意見が分かれるところです。些人は必要ないと捉えていますが、それが全てではないことは確かです。
数学関連の仕事を探しているなら、数検はあなたの能力をアピールするのに役立ち、就職や転職において他の候補者と差をつけることができます。
このため、数学検定が全く役に立たないとは言えないのです。
また、就職活動をしている学生の約半数が経験する採用試験のSPIにおいても、数検が重要になることがあります。SPIでは、応募者のさまざまな能力や人物像を評価しますが、数学能力が重視されることが多いのです。
数学の問題を苦手とする学生は少なくなく、筆記試験に非言語問題が含まれる場合、数学が得意な人は競争に有利です。
簿記の学習をしている場合でも、数学検定の知識が役立つことがあります。数学能力を伸ばすために数検を学ぶのは無駄ではないと言えるでしょう。
数検に挑戦するなら、より高いレベルでの合格を目指して努力する価値があります。そうすることで、数検に対する疑問は解消され、より自信をもって取り組めるようになるでしょう。
最後に、数検の学習は職探しの面だけでなく、数学力を高め、その実力を証明する方法としても考慮に値します。
数学検定の有用性に迫る
数学の能力を認定する「実用数学技能検定」、通称数検に対する評価は様々です。この検定は誰もが挑戦できる11級からプロフェッショナルを対象とした1級までと、幅広いレベルがありますが、一般には5級以上が「数検」として認識されています。
この制度は1990年に始まり、1999年には日本数学検定協会として公的な位置づけを確立しました。文部科学省の公認も受けており、その信頼性は不動のものです。
しかし、数検の実用性に関しては賛否両論があります。検定を取得することが教育や就職の場におけるアドバンテージにつながることはある一方で、その価値を疑問視する声も存在します。どうしてでしょうか。
特に、理数系の分野に進まない人たちの間では、数検の必要性を見いだせないこともしばしばです。しかし、中学・高校の進学や大学入試において、数検3級以上の資格が優遇される場合があるのもまた事実です。さらに、就職活動において数検が計算スキルや論理的な思考能力を証明する手段となり得ます。
結論として、数検は長期的な視点で考えれば、キャリアや学習において多くの利点をもたらすことが期待されます。
数検対策:実践的学習ガイド
数検の勉強をはじめる時点で、どんな方法がベストか迷うことはよくありますね。そこで、数検に向けての具体的な学習方法について、役立つ情報をお届けします。
まず、学校のカリキュラムに沿って学ぶ数学の内容をしっかりと理解し、復習することが大切です。そうすることで数検の試験内容にも自然と対応できます。加えて、参考書や過去問題集で実際の問題にチャレンジすることを心がけましょう。統計によると、級が上がるにつれて合格率が下がる傾向にあり、それが難易度が上がることを示しています。なお、2020年の合格率に関するデータを下記に示します。
各級の合格率を見てみると、級が高くなるほど合格率が下がっているのがわかりますが、決して無理な試験ではないんです。基本的な公式をしっかり理解し、習得することがカギを握ります。教科書に載せられている問題や過去問を何度も解くことで、難しい応用問題に対しても、どの公式を適用すればいいかがわかるようになります。要は、基礎固めが数検合格へのショートカットになるんです。基礎知識をしっかりと身につけて、目標である数検合格に向けて努力しましょう。
数検の受験への真の効果
数検を取得したとしても、それが受験の大きな利点へと直結するわけではない学校もあるため、その有効性に疑問を抱く声もあります。ですが、進学する学校が数検をどのように評価しているかをしっかり調べ、それに応じた対策を講じることが重要です。
全国の様々な学校では、数学検定の結果を入試や単位認定に活用しているところがあります。具体的な学校のリストは特定のウェブサイトで確認できるため、その情報を基にして進めると良いでしょう。また、一定の単位を認める大学や専門学校なども多くあります。
詳しくは検定の公式サイトをご覧ください。
自分が目指している学校が数検をどう評価しているかに注目し、しっかりとした準備をすれば、数検「無意味」ということは避けられ、かえって受験においてプラスに働くことがあります。数学に自信があるなら、他の数学関連のチャレンジ、たとえば「高校への数学」「大学への数学」「数学オリンピック」に挑戦するのもおすすめです。
高校への数学
この刊行物は、東京発の毎月の知識の宝庫である。
進学に向けた数学の指南書は、中等教育で学ぶ数学を広範囲に渡り、数学の醍醐味を追求しながら、上位校への進学を視野に入れた算数力と思考力の強化に特化しています。
1年間で完結するシリーズは、4月号に幕を開け、翌年3月号にフィナーレを迎えます。
シリーズは、前期(4月〜9月)にかけては、中学で習得すべき内容を基礎から標準レベルで徹底的にカバー。
後期(10月〜翌年3月)に入ると、進学校の試験も見据えた高難度の課題に挑戦する機会が設けられています。
一年間の12号を通じて大切なポイントを網羅し、高校進学への道では手放せない知識源となるでしょう。
大学への数学
こちらも、東京発の月間学習誌。
全12号を通じたシリーズで、高校で学んだ数学の再確認から始め、応用力を高めることで名門大の門を叩くための実力をつけていきます。
各課題には難度と目安となる解答時間が明記されており、合格への道のりを具体的に描けます。
定期的に行われる学力コンテストでは、自身の学問的立ち位置を計る絶好のチャンス。
加えて、添削サービス付きのコンテストは、理解を深めるのに役立ちます。
さらに、優秀な成績を収めた人の名は、雑誌に掲載されるため、積極的な挑戦が促されるでしょう。
数学オリンピック
数学競技オリンピアードには、国内外の2大イベントがあります。
それは以下の通り: ・日本数学オリンピアード(JMO) ・国際数学オリンピアード(IMO)
国内の競技を勝ち抜いた6名は、国の代表として世界の舞台に立つ権利を得ます。
次世代を担う若者達に向けた競技は、各国が開催権を持ち回り、数理の才能を育むための国際的祭典です。
その国内版であるJMOでは、1月の予選、2月の決勝、そして3月の合宿を経て、代表選手が決定される仕組み。
オリンピックスポーツと同様、精神的な強さと技術力が求められるのです。
まとめ
数学検定は、教育科学省から正式な認可を受けた国家試験です。上位レベルの数学検定資格を保有すると、大学入試において有利な条件が与えられることが多いです。しかし、文系の進路を考えている場合、数検の必要性に疑問を感じる意見も存在します。オフィスワークなど職場での事務スキルを証明する指標として、また、SPIなどの就職試験においても、数学検定の資格が有利に働くことがあります。数検に対する評価は人によって異なりますが、習得することで利点があると考える人も少なくありません。
これから受験シーズンを迎える人は、少なくとも3級以上の取得を、またキャリアアップを考えている人は1級や準1級の取得を目指してみると良いでしょう。
数検資格を取って損はありません。数学能力を身につけ、向上させるチャンスとして、積極的に挑戦していただきたいと思います。