「カメムシがいっぱいいる年は冬が厳しい」「雪がたくさん積もるサインかも」といううわさを聞いたことはありませんか?これには何か根拠があるのでしょうか。
カメムシは少々不快かもしれませんが、もし大雪のサインを事前に察知できれば、準備をしておくことができるので心強いですよね。
そこで今回は、以下の二点に焦点を当ててみましょう。
・カメムシの大群が冬の到来を告げているのか?
・カメムシが大量に発生する原因は何か?
カメムシの大群、冬将軍の前兆なのか?
カメムシが目につくようになると「これからの季節はぐっと冷え込む」「雪が多くなる」といわれることがありますが、これには科学的な裏付けはありません。
寒い冬が訪れた例もあれば、暖かな冬が続いた例もあります。
「カメムシが多ければ寒い冬になる」という話は、特に日本海側や太平洋側の雪が多い地域で古くから伝えられてきましたが、今ではその話を聞く人は減っています。
カマキリが高い場所に卵を産むと冬が厳しくなるという言い伝えもありますが、これにも科学的な証拠はありません。
「カメムシが多いと寒くなる」というような迷信は、私たちの生活に根ざしているものの、実際には疑わしいものですよね。
カメムシが目立つ理由
カメムシが目立つようになる背後には、「地球温暖化による気温の上昇」と「繁殖サイクルの変動」があるとされています。
カメムシには年に二回、数が増える時期があり、気温の上昇が繁殖を促進すると考えられています。
①春:4月と5月
この時期にカメムシは葉の裏や屋根裏に卵を産むのですが、気温が高いと卵の数が増え、繁殖が活発になります。
②秋:9月と11月
冬を前にして、カメムシは日の当たる暖かい場所や、光を反射する白い場所に集まります。春に繁殖したカメムシが一堂に会するため、私たちが見かける機会が増え、まるで大量発生しているように感じます。
つまり、カメムシは春にも多く存在しているのです。
2023年、異例のカメムシ増加の現状
今年2023年は、カメムシが従来の2倍近い数で増加し、異常なほどの繁殖を見せました。
9月初旬よりカメムシの急増に関する報道が散見され、月末には多少落ち着いたかと思われた矢先、10月に入り再び集団で現れるようになりました。
SNSでは、壁沿いにカメムシを捉える道具の使用動画が話題となり、一時はその商品が市場から消えるほどの需要がありました。
2023年に確かにカメムシは異常発生し、既に繁殖期を終えていると考えると怖ろしいです。
カメムシ大量発生!コレはエグい! pic.twitter.com/H5a2gEpzYR
— 軽貨物でフーデリ神戸 (@v9VAe2cd77nM60C) October 7, 2023
カメムシが大量発生した時の対策方法
カメムシの大量発生に対する対策は、予防と駆除の二つの側面からアプローチすることが大切です。以下に、具体的な対策をいくつか挙げますね。
予防対策
入り口の管理:
窓や扉の隙間を塞ぐために、網戸や隙間テープを利用して侵入を防ぎます。
香りで忌避:
カメムシは特定の香りを嫌うので、ハーブ(例:ミント、ラベンダー、レモングラス)や、市販のカメムシ忌避剤を使って彼らを遠ざけます。
照明の工夫:
カメムシは光に引かれるため、夜間は外灯を消すか、カメムシが寄りにくい黄色い光を使います。
駆除対策
手動除去:
直接、もしくは掃除機を使ってカメムシを取り除きますが、潰さないように注意が必要です。潰すと独特の臭いを放ち、他のカメムシを引き寄せる原因にもなります。
自然の敵を利用:
カメムシの天敵であるテントウムシやナナフシを増やすことで、生態系のバランスを利用した駆除が可能です。
農薬の使用:
農業分野では農薬を使った駆除が行われることがありますが、使用する際は環境への影響を考慮する必要があります。
農業での対策
栽培管理:
作物を密植しすぎない、適切な施肥、水やりをすることで、カメムシが好む環境を作らないようにします。
トラップの設置:
フェロモントラップや黒色のトラップを設置してカメムシを捕獲します。
これらの対策を組み合わせることで、カメムシの大量発生による被害を最小限に抑えることができます。
また、地域や環境によって最適な対策は変わるため、地域の状況に合わせて選択することが重要です。
まとめ
このレポートでは、カメムシの異常繁殖が冬の到来を予感させるのか、また、大雪との相関性について論じました。
カメムシの大発生が寒さをもたらすというのは古くからの俗信であり、科学的な裏付けは存在しません。
カメムシの数が増える背景には、気候変動による繁殖周期の増加があります。
カメムシの大発生は農業にも悪影響を及ぼすため、この問題をどうにかして止める方法の研究が進むことが望まれます。