スマートフォンで動画を楽しむ際、どの漢字を使うべきと考えたことはありませんか?
日本語には、同じ読みながら異なる漢字で表現される言葉がたくさんあります。書く際に、どちらの漢字を選ぶかで迷うことも少なくありません。
そんな中で頻繁に使われるのが「みる」という動詞です。日常的によく使われるこの単語は、漢字では「見る」と「観る」の2種類で表現されます。
これらは似た意味を持ちますが、実際にはどんな違いがあるのでしょうか。例えば、映画やテレビを「見る」際には、どちらの漢字を使用すべきなのでしょうか?
ここでは、「見る」と「観る」の意味の違いと、それぞれの適切な使い分け方法について解説します。
「見る」と「観る」の意味の違い
・「見る」とは
「見る」は小学校1年生で学ぶ基本の漢字の一つであり、多くの意味を持っています。主な意味は以下の通りです。
物事や風景などを直接訪れてその場で見る。
目で捉えた物事や文字、図形などを理解する。
物事の状況を見て判断する。
これらの意味はすべて、「目や視覚によって物事を捉え、それを判断したり理解したりする」という共通点があります。
・「観る」とは
「観る」は小学校4年生で学ぶ漢字ですが、「みる」という読み方は教科書では習わない「常用外表記」に分類されます。学校で教える漢字の読み方は、常用漢字とそれに定められた読み方に限られます。
「観る(みる)」という読み方は一般的ながらも、常用漢字としての正式な読み方ではないため、学校では教えないのです(小学4年生で習う読みは「観(かん)」です)。また、新聞や公文書では「観る」を使用しないのが通例です。
しかし、「観る」の漢字や読み方自体は間違いではなく、日常的に使用することは問題ありません。この漢字には以下のような意味があります。
物事や風景などを訪れ、目で詳細に捉える。
芝居やスポーツなどを鑑賞する。
何かをじっくりと観察したり、楽しんだりする際に「観る」という表現が適しています。
「見る」と「観る」の使い分け方
・基本は「見る」を選択
日本語において「見る」と「観る」の使い分けに迷った際は、基本的に「見る」を選ぶのが無難です。「見る」には視覚を通じて物事をとらえるという意味が含まれており、多様な「みる」シーンに適応できます。これにより、幅広い「みる」行為に対応できる汎用性の高い言葉と言えます。
一方で、「観る」は「意識してしっかり目で捉える」というニュアンスが強いです。何かをぼんやり見るのではなく、集中して意識的に見る場合に適しています。
状況があいまいな場合や、特別に集中していない時は「見る」を使うのが適切です。一方、何かに集中して見ている場合は「観る」を選ぶと良いでしょう。
・映画やテレビにおける使い分け
例えば、映画館で映画を見る場合や、テレビでドラマを見る場合、どちらの漢字が適切でしょうか?
映画館で映画を見る場合、映画館に行くこと自体がその映画を「見たい」という意志の表れです。映画に対して集中している状況では、「映画をしっかり観る」と表現するのが適しています。
ドラマを見る場合も、作品に集中していれば「観る」が適切です。ただし、スマホを操作しながらテレビを見る、テレビをただ流しているだけ、映画を見るのがデートの一環である場合など、集中していない状況では「見る」を使うのが適しています。