高校野球は春と夏に甲子園球場で行われますが、夏の大会には49校が参加します。東京と北海道はそれぞれ2校ずつで、他の県は各1校が出場します。
一方、春の大会では出場校数が32校に制限されています。
なぜ夏と同じく49校にしないのか、その理由には実は高校球児たちの学校生活が関係しています。
春休み中に開催される高校野球
春休み期間内でこなせる試合数
高校野球は学生たちの休みの期間に行われます。春休みは約14日間で、3月の後半から4月の上旬まで続きます。全ての試合をこの期間内に終わらせなければなりません。
この14日間で調度良い試合数が32校ということです。
計算して確認しましょう!
さて、計算してみましょう。
春の大会では32校が出場します。トーナメント方式で行うので、合計31試合が行われます。
- 第一回戦:16試合
- 第二回戦:8試合
- 準々決勝:4試合
- 準決勝:2試合
- 決勝:1試合
春の大会は1日に3試合が行われます(夏は1日に4試合)。第一回戦と第二回戦では24試合行われるため、8日間かかります。
- 準々決勝:2日間
- 準決勝:1日間
- 決勝:1日間
以上の試合期間を考慮すると、合計12日間が必要です。
また、雨の日なども考慮して、32校がちょうど春休み期間内に試合をこなすのに最適な数と言えます。
したがって、32校で春の選抜高校野球が開催されているのです。
ところで、32校の選出方法はどのようになっているのでしょうか?
32校の選出方法はこうしている!
32校の枠は少し複雑です
まず、予選から28校が選ばれます。
- 北海道:1校
- 東北:2校
- 関東:6校
- 北信越:2校
- 東海:2校
- 近畿:6校
- 中国四国:5校
- 九州:4校
西日本の出場校数が多いのはなぜでしょうか?
そして、残りの4校は以下のように選出されます。
- 神宮枠:1校
- 21世紀枠:3校
神宮枠とは?
秋に開催される明治神宮大会で優勝した高校が属する地区に追加される1校の枠のことです。
明治神宮大会は、全国の秋季地区大会で優勝した10チームが参加する大会で、地区は北海道・東北・関東・東京・東海・北信越・近畿・中国・四国・九州の10地区です。
例えば、北海道のA高校が優勝した場合、春の高校野球の出場校数は1校から2校になるということです。
優勝した高校そのものではなく、地区に枠が追加される仕組みなので、興味深いところですね。
21世紀枠とは?
2001年に創設された21世紀枠です。
全国の秋季地区大会で成績の優れた高校や模範校となる高校が選ばれる制度です。選ばれるのは、困難な状況にある高校や他の学校に良い影響を与える高校です。
なお、神宮枠となった地区は除外されるようです。
様々な仕組みや考えが組み込まれているので興味深いですね(笑)
春のセンバツと夏の甲子園との違い
夏の甲子園は、全都道府県から出場する!春は高校球児たちの憧れの舞台、甲子園として有名です。
ただし、「夏」と「春」では、出場校の選出方法に違いがあります。
夏の甲子園では、各都道府県の大会で優勝した代表校が全国大会にそのまま出場するという特徴があります。北海道や東京は2校が出場します。
一方、春のセンバツは、秋に開催される各都道府県の大会の成績を考慮して出場校が決定されます。選考委員会によって全国から厳選された高校球児たちが戦います。
つまり、夏の甲子園では全都道府県から代表校が出場するのに対し、春のセンバツでは地域ごとの代表が出場するということです。
春と夏のトーナメント決定方法の違い
夏の甲子園では、50校以上が出場し、春のセンバツでは30校以上が出場します。トーナメントの組み合わせはどのようにして決まるのでしょうか?
夏の甲子園では、抽選会で「準々決勝」までの組み合わせと試合日程が決まります。準々決勝以降は、勝ち上がった学校によって再度抽選が行われ、決勝戦までの試合日程が改めて決定されます。
一方、春のセンバツでは、開幕前の抽選会で「すべて」の組み合わせと試合日程が決定されます。
センバツは各ブロックの勝敗や組み合わせの予想を立てることができるため、楽しみが広がりますね!
夏の甲子園の優勝旗は深紅、春の優勝旗の色は?
優勝旗は、多くの高校球児が憧れるものですが、実は夏と春では色が異なることをご存知でしょうか?
夏の甲子園の優勝旗は「深紅」であり、一方、春のセンバツの優勝旗は「紫紺」となっています。
開会式では前年の優勝校の現主将が優勝旗を返還する場面も見どころの一つです。
しかし、大阪桐蔭高校は今大会に出場しないため、昨年の優勝旗を再び手にすることは叶わないでしょう。その悔しさが優勝旗の返還ににじみます。
実はあまり知られていないのですが、センバツには準優勝旗も用意されています!
春のセンバツに「プラカードガール」は存在せず!
甲子園で押さえておきたいのは開会式!
全国の野球少年たちが総勢で行進し、それは一見の価値があります。
開会式で目立つのが代表校のプラカードを持つ「プラカードガール」。だが、春のセンバツでは、彼女たちは決して登場しません!
夏の甲子園では、地元・西宮高校の生徒がプラカードを担当しますが、春のセンバツではその任務は各出場校の生徒が引き受けています。
メンバー選ばれなかった部員やマネージャーなど、各校が巧みにアレンジている様子も微笑ましく、目を引きます。今年は、履正社高校と智弁和歌山高校のプラカードを持つのが、生徒会長だと聞きます!
春のセンバツでは、注目は入場曲に!
甲子園の開会式の名物、それは入場時に響く入場曲。
ここでも春と夏の違いが見えてきます!
夏の甲子園の入場行進曲は、「全国中等野球行進曲」と称する曲が毎年流れます。
80年以上続く甲子園の伝統の一部です。
一方で、春のセンバツでは、流行歌に合わせて入場行進曲が選ばれます。
ちなみに開会式では、毎年春夏ともに最北または最南の学校が交互に入場の首位に立ちます。今回の大会では南の学校から入場を開始します。
そして注目すべきは、必ず入場の最前線に立つ前年度の優勝校!連続出場の場合、全員で先頭に立つことができますが、出場できない場合には、現在のキャプテンが1人で優勝旗を持ちます。
春夏で異なる高校野球の注目ポイント!
今まで、春のセンバツと夏の甲子園のスタイルの違いを説明してきましたが、真剣に見るべきは高校野球選手たちの違いや魅力点ではないでしょうか?
夏の甲子園は、新チームが組み立てられ、秋から春までのトレーニングや試合を経て出場する最も重要な戦いの場。
春のセンバツにおいては、各都道府県の大会が秋に実施されるため、新チームが作られてすぐないしは、実力がフルに発揮されていない学校もしばしば見かけます。
つまり、完全満足のいくまで仕上がっていない学校間での対決となり、出場校の予測が困難であり、出場が決まったところから春までの成長は未確認です。
言い換えれば、新たな注目に値する選手や、昨年の2年生の発展具合を把握するのがセンバツの一つの喜びです。ここから夏までに、各学校がどのように平等の地に来るかも注目の一つです。
また、夏の甲子園では各都道府県から出場し、その地域のチームを応援する人が多いと思います。しかし、春のセンバツでは出場しない地域も存在します。地元を考慮したり、応援したくなるような学校を発見したりするのも、夏の甲子園とは異なる観方での春のセンバツの魅力です。
ぜひ皆さん自身で楽しむための応援スタイルを見つけてください!
春のセンバツと夏の甲子園、意外にも多くの違いがあるのを感じましたか?
夏の甲子園の最終戦をより一層楽しむためにも、是非春のセンバツで「現時点の」高校の若い野球選手たちを見てみてください!
まとめ
春の選抜高校野球の出場校数がなぜ32校で、夏と異なるのかについてまとめました。それは球児たちの学校生活を考慮してでのことだったんですね。
心も身体も頭も育てる教育方針の賜物でした!!
でも、一番頭を使ったのはこの制度を作った高校野球連盟の方だったかもしれないですね(笑)