熊手の処分については、多くの人が疑問を持っています。特に、昨年の熊手をどうするべきか、古くなった熊手の取り扱い、毎年新しい熊手を購入する必要があるのかなど、様々な疑問があります。ここでは、これらの疑問に対する明確な答えを提供します。
お気に入りの熊手がある場合の適切な扱い方や、熊手を返納または処分する際の方法について、具体的な例を交えて解説します。熊手の処分方法について、理解しやすい形で説明していきますので、熊手を適切に、敬意を持って扱う方法を学ぶことができます。
昨年手に入れた熊手を必ず処分すべきか?考慮すべき5つの処分方法と取り扱い方
「商売繁盛を象徴する」
「富を集める力がある」
「幸運を引き寄せる」
これらの意味を持つ『熊手(くまで)』。
商売繁盛や幸運を引き寄せるとされ、特に商売人にとって重要な縁起物である熊手は、商売をしている人だけでなく、家庭の安全、恋愛の実現、健康、成功など、さまざまな願望を叶える助けになるとされています。
毎年熊手を大きくしたり、同じ店で購入すると良い、などと言われています。
でも、これらの言い伝えは商売を追求する姿勢を感じさせます(笑)。
では、毎年新しい熊手を手に入れるべきなのでしょうか?
昨年の熊手を処分するべきか?
結論としては、昨年の熊手を処分しなくても何も問題はありません。
熊手は、酉の市や十日戎(えびす講・えびす神)、新年などに購入するものです。
毎年大きくするとか、古いものは処分するとかといった「熊手の効力は一年限り」という風潮がある一方で、実際には「熊手の有効期限は1年」という教条や明確なルールは存在しないのです。
「一年たったからといって処分しなければならない」という規則やマナーはありません。
熊手を販売する時期には、古い熊手を奉納する儀礼や焚き上げの儀式が行われますが、これは新しい熊手を飾ることを奨励しているわけではないのです。
だから現在飾っている熊手をそのまま飾り続けても全然問題ありません。昨年購入した熊手や古い熊手を飾っている方々も決して少なくありません。
たとえば私の周りでも、「大切な人からもらった熊手なので、それに愛着がある」という理由で、ずっと同じ熊手を飾っている家庭があります。縁起物の熊手はプレゼントとして贈ることも多いのです。
例えば、私がよく利用する寿司屋さんでは、一目で長い年月を経た熊手が飾られています。そして、個人の家でも長い間同じ熊手を大切に飾るケースは珍しくありません。その中には、「祖父の代から」という家庭もあります。
熊手を新規購入しなければ、そのご利益はなくなるのか?
古い熊手を飾っていることでご利益がなくなったと言う話は聞いたことがないのでご安心を。あなたがその熊手を気に入っているなら、わざわざ新しいものに替える必要はまったくありません。
普段から清潔に保ち、熊手やその周囲の掃除を心がけ、埃を払っていれば運もより呼び寄せやすくなります。
神様が直接熊手に宿るわけではありませんが、清潔な場所を好む神様の気持ちを考えると、熊手を買い替えないことに心配を感じるなら、塩を振るなどして浄化するといいかもしれません。
熊手の扱い方について
手元にある熊手の適切な扱い方をここでご案内します。基本的には、熊手は購入場所に返すのが一般的です。酉の市で手に入れた熊手の場合、酉の市が開催されてる間に設けられている「返却場所」に返すことになります。例えば、浅草の酉の市で購入したなら、浅草鷲神社や長國寺の入り口にある「古熊手返却箱」に返却します。同様に、十日戎や初詣で手に入れた熊手は、それぞれの神社へと返すこととなります。
毎年新しい熊手を購入する人の場合は、新年の熊手を手に入れに行くときに、前年の熊手を持って行って返却し、そこで新しいものを手に入れるのが一般的です。そして、昨年のものだけでなく、それ以前の熊手でも返却することができます。熊手を返すときは、これまでの感謝の気持ちを示すことが大切です。
・注意点 熊手の袋には五円硬貨が入っていることがあります。五円硬貨は「ご縁」に通じる縁起の良いものとされ、また硬貨に穴が開いていることから「見通しが良い」と言われています。これは神社などの賽銭として好かれています。そのため、熊手の袋に五円硬貨が入っていることがあります。熊手を返す際には、袋の中身を確認しましょう。
酉の市や十日戎で熊手を返せなかった場合の対応
酉の市や十日戎の期間中に熊手を持って行けなかった場合や、遠方で手に入れた熊手、贈り物であった熊手など返却できない場合があります。そのような場合の対処法や具体的な処理方法についてお伝えします。
■ 周辺の神社に返す
購入場所が旅行先で遠方だったり、熊手が贈り物だったりする場合でも、近くの神社で返すことができます。ただ、事前に電話で確認してみてください。
■ 御焚き上げ
小さい熊手であれば、「御焚き上げ」に持ち込める場所もあります。年末や新年に最寄りの神社や寺で行われるお札の「御焚き上げ」に、お賽銭と一緒に熊手を持って行くという方法があります。これも事前に問い合わせてみてください。
■ どんと焼き
熊手を「どんと焼き」で焼く方法もあります。「どんと焼き」あるいは「どんど焼き」は、1月15日の小正月に行なわれる火祭りのことです。新年に使ったしめ縄、松の飾り、書き初めなどを一つにして燃やします。地域によりますが、同時にお守りやお神札に感謝の意を込めて「お焚き上げ」を行うこともあります。新年のこのどんど焼きは、熊手を処分するいい機会になります。しかし、全ての神社や寺が対応しているわけではないので、事前に問い合わせてみてください。
■ 自分で処分する
もし返す場所がない場合は、自分で熊手を処分することもあります。大きなものは分解し、小さなものはそのまま新聞に包んで、自治体のゴミの日に出します。新聞に包むときは清めの塩を掛けることを忘れずに。以下に家庭での清め方を紹介します。
- 新聞紙を広げ、その上に熊手を置く
- 熊手に対し、左、右、左の順に3回塩を振る
- 熊手を新聞紙で包んで処分する
驚くかもしれませんが、熊手は神様が宿るものではなく、「飾り」なので、ゴミとして出しても問題ありません。処分する際は、感謝の意を込めて行いましょう。”これまでよく働いてくれてありがとう”といった気持ちを忘れずに。
まとめ
熊手は商売繁盛や開運招福を願うための縁起物として広く知られています。この縁起物に関しては、特定の処分時期や方法についての厳格な規定は存在しません。つまり、熊手が一年経過したからと言って必ず処分する必要はありません。既に飾っている熊手を引き続き飾ることも問題ないのです。
熊手の返納や処分にはいくつかの方法があります。一般的な方法は、熊手を購入した場所へ返納することです。例えば、新しい熊手を買う際には、前年の熊手を返納所に持って行き、その後新しいものを購入する流れが一般的です。これは昨年のものだけでなく、より古い熊手も同様に処理してもらうことが可能です。
熊手の処分には以下の5つの方法があります。
- 開催時期に返納所に納める:熊手を購入したイベントや祭りの際に設置される返納所に持っていく。
- 近所の神社に返納:購入先が遠方であれば、近隣の神社に返納することも可能です。
- 御焚き上げ:大みそかや初詣で行われる御焚き上げに、熊手を含めて持参する。
- どんと焼き:1月15日の小正月に行われる伝統的な火祭りで、古いしめ縄や熊手を焼却する。
- 自分で処分:大きな熊手は解体し、自治体の指定するゴミ収集日に出す。
これらの方法はいずれも簡単で、処分に困ることはありません。熊手は福を招く縁起物ですから、感謝の気持ちを込めて適切に扱いましょう。お気に入りの熊手で、これからも多くのご利益を受けられることを願います。