あなたが自転車でコンビニにいって、車の側に自転車を止めコンビニの中に入ろうとしました。
すると、いきなりの風で、自転車が倒れて隣の車に当たり傷つけてしまいました。
あなたはそのとき、どうしますか?
そんなときの対処方法と、簡単にできる対策を紹介します。
どのくらいの風速で自転車は倒れる?
「風速」とは、地上約10メートルの高さにおける10分間の平均風速をいいます。
また、3秒間の風速の平均を瞬間風速といいます。
平均風速の最大値を最大風速、瞬間風速の最大値を最大瞬間風速といいます。
では、風速によってどのような違いがあるでしょうか。
最大瞬間風速でみてみましょう。
10m/sでは、ごみが舞い上がる。干し物が飛ぶ現象が発生します。
15m/sでは、立看板、自転車が倒れる。歩行困難となります。
20m/sでは、人が風に吹き飛ばされそうになるなどの現象が確実に発生します。
自転車は風速15m/sで倒れますが、これはあくまでも目安であって、周囲の状況や、自転車の止め方などによっては、これ以下の風速でも倒れる場合もあります。
自転車が風で倒れて車を傷つけた損害賠償はどうなる?
損害賠償責任はどっち?
自転車が倒れて、車に傷つけた場合の損害賠償責任は、自転車の停車方法によって違ってきます。
自転車の停車方法に過失があった場合は、使用者に賠償責任があります。
しかし、自転車の使用者の過失が事故の原因でなければ、自転車の使用者の責任はありません。
例えば、予想できない強風が、いきなり吹いたのが原因だった場合は、不可抗力で自転車の使用者の過失は問えないといえます。
ただし、自転車を止めた時に不安定な止め方をしていて、少しの風でも倒れるような状態であった場合は過失があるといえます。
また、あなたが自転車を先に止めていれば、後で止めた車の使用者の責任ですから、あなたに賠償責任はないといえます。
どうしてかというと、後で車を停めた運転者は、風が強い場合自転車が倒れることを予測しなければならないからです。
ただし、駐輪方法のミスによる転倒の場合は、相手が後に来たか先に駐車してたかにかかわらず,過失がないと主張することは難しいと思われます。
例えば、強風が吹いていて、あなたが他の自転車が倒れているのを見ているような場合には、自分の自転車も倒れるかも知れないという認識がありますので、停車した段階で、過失があるといえるでしょう。
駐輪する場合は、倒れないようにすることが肝心です。
損害賠償額はどうなる?
それでは、損害賠償額はどうなるでしょうか。
全くの無過失の場合は賠償する必要はありませんが、不注意などの過失があった場合は、与えた損害の賠償責任があります。
与えた損害賠償額は自転車、車双方の過失割合によって決まります。
過失割合が大きくなるのは、後から止めた方が大きくなる傾向にあります。
過失割合は、客観的に風の強さや止めた場所や止めた方法などが考慮されます。
具体的には、
・その場所は、車が止まりそうな場所か
・自転車の駐輪の仕方はどうだったか
・駐輪の場所がどのような場所だったか
・当日の風の強さはどうだったか
これらの事情等を総合的に検討し、自転車を止めた側に転倒することが、予見できたとなれば、過失があると認められることとなります。
しかし、よほどのことがない限り、車の修理代を全額負担するということにはならないでしょう。
自転車が倒れないための簡単にできる5つの対策
1:柵などに結び付けておく
自転車の転倒防止の効果的な方法として柵などに結び付けることです。
チェーンロックなどで、前輪を柵などに結び付けておくことです。
風がいくら強くても、その柵が支えてくれます。
倒れることはなくなるし、盗難防止にも効果的ですね。
2:タイヤロックスタンドを使用する
折り畳み式で持ち運びのできるタイヤをロックできるスタンドがあります。
このスタンドはタイヤがすっぽりと入ります。
このスタンドを使えば家でも出先でも強風が吹いても倒れないように固定できます。
3:自転車を倒しておく
場所があれば、あらかじめ自転車を倒しておくことです。
よっぽどの強風でない限り、倒れている自転車が動くことは考えられませんね。
自転車も倒れて傷がつくということもありません。
ただし、人の通りの多い場所などは歩行を妨害することになりますので、控えてくださいね。
4:周りの自転車と密着させる
周りに駐輪している自転車と密着させるという簡単な方法です。
転倒してしまうのは、それ一台だけで立っているからです。
倒れそうになっても隣の自転車が支えてくれれば、倒れなくなります。
5:屋内に止める
地下駐輪場などの屋内の駐輪場を使うという方法です。
スーパーなどに行った場合、便利さゆえに、スーパーの前に止めたくなります。
しかし、自転車が倒れて車に傷を付けた後のわずらわしさを考えると、近くに地下駐輪場があればそこを利用した方がいいでしょう。
地下の駐輪場は入れる時間が決まっているところがあります。
以前、私は駅の近くの地下駐輪場に停めていたのですが、夜の12時で駐輪場に入場できない時間に帰ってきたんです。
そうしたら、もちろん入場できないので、仕方ないので歩いて帰りました。
夏の暑い時期だったので、ダイエットに役に立ちました。
くれぐれも旅行などで長い間使う場合は地下駐輪場の利用できる時間に注意しましょう。
私のような悲しい事例を繰り返さないようにして下さい。
まとめ
自転車が倒れて車を傷つけると、損害賠償責任が生じる場合が多いと思われます。
自転車を倒れなくする方法を行うことと、万が一のことを考えて、保険に入っていることが必要です。
自治体によっては自転車損害賠償保険に入ることが義務付けられています。
あなたが現在入っている保険に、自転車損害も賠償してくれる保険がついていない場合は、保険に入ることをおススメします。
転ばぬ先の杖です。