最近、久しぶりに映画館で映画を観ました。子供が小さかった頃は家族でディズニーやポケモンの映画を観ていましたが、一人で映画館に行くのは何十年ぶりでした。そこで味わったキャラメルポップコーンは格別でした!
平日の映画館はかなり空いていて、10人もいなかったように思います。そこで疑問に思い、映画館の経済的側面について調べてみました。
映画館の損益分岐点はホテル・旅館より低く20%程度?
「映画館の経営状況」に関する三井トラスト・ホールディングスの報告によると、映画館の収益は座席占有率に大きく依存しています。座席占有率とは、全座席の中で実際に利用されている割合を指します。
意外なことに、映画館は座席占有率が20%以下であっても損益分岐点を達成することが可能です。
これを他の業界と比較すると、例えば国土交通省の2017年度の国内ホテルや旅館の稼働率は61.5%でした。映画館は、ホテルや旅館と比べても、少ない客数でも経営が成り立つようです。
しかし、映画館の経営には売店の収入が大きな役割を果たしています。入場料の約半分は配給会社に支払われ、残りの半分は設備や人件費に充てられます。経済産業省の調査によると、2017年度の映画館業務売上高は約2,326億円で、そのうちの約575億円が売店や食堂からの収入です。
ポップコーン等フード・ドリンクは貴重な収入源
売店の収入を増やすためには、ポップコーンやコーラだけでなく、多様なフードメニューやドリンクを提供する必要があります。また、現代の映画館には高品質なデジタルスクリーンや3D設備が求められるため、これらの設備投資にも多額の資金が必要です。
ポップコーンの原価の考察は以下の記事をご覧ください。
このような状況の中で、資金が限られている古い映画館は、次々と姿を消しています。一方で、ショッピングセンターにあるシネコンなどは大手企業が運営しており、最新設備や流行の飲食店を導入することが可能です。私が最近訪れた映画館では、座席が音響に合わせて振動するような体験もありました。
シネコン以外は経営困難な悲しい実情
結局、映画館が平日に少ない客数でも運営できるのは「売店と設備に投資できるシネコンに限られる」という現実があります。古くからの映画館が姿を消すのは、少し寂しい現実ですね。
顧客が0人でも上演するのか?スタッフに聞いてみた
映画館では、人気の高い映画が平日であっても満席になることがあります。座席を予約できる映画館では事前に席を押さえることが可能ですが、先着順で席を確保するタイプの映画館では、特に人気作品の場合、長い列を作って待つ必要があることもあります。一方で、あまり人気のない映画が上映されるとき、特に地方の映画館では観客がほとんどいない、時には一人もいないこともあるようです。
観客が一人もいない場合、映画館はどう対応するのでしょうか?この疑問を解消するために、かつて栃木県の地方都市にある映画館のスタッフに話を聞いた経験があります。
そのスタッフによれば、観客が一人もいない場合は、映画の上映を行わないとのことでした。もし途中で観客が来たとしても、次の予定された上映時間まで待ってから映画を上映するそうです。したがって、観客がいない場合には無駄にフィルムを回すことはないようです。
まとめ
ここまでいかがだったでしょうか。
VODサブスクの普及で映画館の厳しくなりつつありますが、映画館には映画館しかない魅力があるので、がんばってほしいところです。
12月1日は映画の日で安く映画を見られるので、行かれてみてはいかがでしょうか。
最近は人が少ないので、ゆったりとしてみることができます。
映画の日については以下の記事をご覧ください。
映画館の冷房が寒いときについて
ポップコーンの原価について